食物繊維がコレステロールを下げる

食物繊維はコレステロールと胆汁酸を排出
食物繊維は、便秘を解消したり、大腸がんの予防に効果がありますが、腸の中で胆汁酸を吸着し、コレステロール値を下げる働きもあります。

脂肪を消化するのに必要な胆汁酸は、コレステロールを原料として肝臓で作られます。胆汁酸は十二指腸に分泌され、小腸の末端で再吸収されて肝臓に戻りますが、このとき、腸の中に食物繊維がたくさんあると、胆汁酸は再吸収されずに排泄されてしまうので、体内の胆汁酸が不足した状態になります。肝臓は新しく胆汁酸をつくるためにコレステロール値は下がるのです。

日本人が食べるものには食物繊維が多く、かつては1日に20gくらいとっていましたが、現在では不足がちになっています。日本人にコレステロール値が高い人が増えたのは、食物繊維不足もかかわっていると考えられています。


水溶性の食物繊維がコレステロールの吸収を抑える
食物繊維には、水に溶けない不溶性と水に溶ける水溶性のふたつのタイプがあります。コレステロールを減らす作用が強いのは、水溶性です。
くだものや野菜、豆類に含まれるペクチン、こんにゃくのグルコマンナン、わかめなどの海藻類に多いアルギン酸などの成分が、水溶性の食物繊維です。

不溶性の食物繊維は、コレステロールに直接作用はしませんが、腸の働きを活発にして、糖や脂肪の吸収を抑えますから、生活習慣病の予防に役立っています。
食物繊維の摂取量の目標は、成人男性で1日20g、女性は17~18gです。


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